郡山萌世 校長雑感

萌世百景 vol4

英語のschool(スクール)の語源は、古代ギリシア語の「スコレー」だと言われています。「スコレー」は、「余暇」や「ゆとりのある状態」を表す言葉です。元来、学びの場には、ものごとをじっくり考えることができる環境が必要なのですが、これまでの学力は時間内に問題を正確に処理する力と捉えていたために、じっくりと考えるということがあまり重視されてこなかったと感じています。

しかし、今日では「生きる力」を身に付けることが求められています。「生きる力」とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力です。また、自らを律しつつ他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心でもあります。

そのような力は、どのように身に付くのでしょうか。

テストで身に付くのかと言われれば、そうではないと答えるでしょう。テストで身につく力とは、時間内に、正確に、答えを見つけ出す力です。つまり、ものごとをたくさん受け入れる力であり、整理する力です。少し「生きる力」とは違うように感じます。

それでは、どのようにして身に付くのでしょうか。

目の前にあるものごとに対して、次々と問いをぶつける力だと思っています。つまり、ものごとを簡単に受け入れる力ではなく、受け入れない力が必要だと思っています。ものごとに対して「なぜ」という疑いを持ったり、「どうしてなのだろう」という驚きを持ったりすることが大切なのではないかと思っています。時間がかかるかもしれませんが、そのような問いが良質な思考に結びついて行くではないかと考えます。

そのためにも、学校には時間的にも空間的にも、「ゆとり」が本当に必要なのです。

本校は、ビルの中にあり、機能的な構造になっているために、余った空間があまりありません。でも、少しでも、生徒たちが「ゆとり」を持った生活を保障するために、各階に小さなラウンジが設置されています。

生徒のみなさん、このラウンジを有効に活用して、良質な思考をしてみませんか。