郡山萌世 校長雑感

2020年7月の記事一覧

私の一冊

読書したいけれど、時間がとれないという人はいないでしょうか。

時間は自分自身で工夫してつくり出すもので、誰かが与えてくれるものではありません。

以前、現代社会の授業で、「平等」の話をするときに、人間が生まれながらに平等に与えられているものは一体どんなものがあるだろうと問いかけたときがあります。生徒たちは本当に困っているようでした。本当に少ないのです。平等に与えられているものの一つ例として、よく生徒に話をするのが「時間」です。誰でも24時間という「平等」の時間を与えられています。しかし、その時間の使い方を考えると、その人の考え方に左右されるところが大きいと感じています。スマホを見ている時間はあっても、読書をする時間はないということなのです。

昨日、図書館便り『Bibliothek(ビブリオテーク)』が届きました。夏休み前の特別貸し出しのお知らせがトップに掲載されています。明日は夏休み前の最後の登校日です。長かったようで、短かったようで、何とも表現しづらい夏休み前の授業が終わろうとしています。夏休みに入るという感覚がないまま、夏休みに突入しようとしているのです。昨日も書きましたが、こんな時だからこそ、夏休みに一つでも何か挑戦するものを決め、しっかりと取り組むことが大切だと感じています。その選択肢に、是非とも読書を加えていただきたいと思っています。特に、図書館便りで面白いと感じた記事は、「本の福袋の貸し出し」です。どんな本が入っているかは開けてからのお楽しみ、袋の中にテーマに合わせた本が入っているようですので、皆さんがピンときたテーマの福袋を借りて欲しいということでした。本離れが進んでいる昨今、図書委員もいろいろな取り組みをしているなと感心しました。生徒の皆さん、図書委員の努力に大いに応えようじゃありませんか。

さて、新着案内をみながら、この夏休みに勧める私の一冊を紹介しましょう。それは、東野圭吾さんの「クスノキの番人」です。ミステリー作品ですので、内容に触れるようなことはしないようにします。人に思いを伝えようとするときに、あなたはどのようなことをしますか。直接、その人に伝えれば良いではと答えますよね。でも、思いを正確に言葉にすることは非常に難しいことです。そして、関係が難しい人に何かを伝えるほど困難なものはありません。この物語は、ある青年の成長物語だと思っています。人間関係を築くことが得意ではない主人公が、家族のこと、自分とかかわる人のことを考え、「信頼することとは何か」を考えながら成長していく物語だと思っています。

夏休み明けに、今度は、皆さんの一冊を私に紹介してください。

進路

本日、定時制課程では、夏休み前の最後のホームルームの時間となりました。この機会に1、2学年では、夏休みに向けて進路意識を高めてもらおうと進路講演会の開催となりました。

1学年の講演会は、進路の基礎・基本の話で、「進路とは?」、「進路選択の準備」などについて、多くの質問、思考する時間を交えながら、わかりやすい説明がありました。1年生にとっては、高校生活で初めての夏休みとなります。いろいろなことに挑戦しながらも、進路に向け、有意義な時間を過ごしていただきたいと思っています。

2学年は、今年度初めに実施した適性検査を受け、自己の傾向と職業・学問の関係、職業・学問について情報収集の仕方についてのお話がありました。今後の社会を生き抜くためには、自分にとって必要な情報を集めるための情報収集能力を高めることは非常に大切なことです。この夏休み、進路研究ために多くの時間を割いていただきたいと思っています。

1年生、2年生共に、通常であれば、大学・短大、専門学校などのオープンキャンパスや各種ボランティア等の実際の体験活動を推奨するところですが、このような状況では積極的に勧めることはできません。でも、何もできないかというと、そういうことでもないでしょう。この講演会で出てきたように、興味のある会社、職業、大学をネットで検索する、学校の資料を取り寄せる、本をたくさん読むなど、このような状況でも、自己の進路のためにできることはいっぱいあるはずです。

そして、一番重要なのは、何でも良いので目標を決めることです。どんなに小さな目標でも良いので、その目標に向けて行動してみましょう。失敗も、良い経験です。その行動する中で、自己の強みや将来の夢のヒントを探してください。そして、自分自身や周りの人との対話を通して、自分の人生の目標を見つけてください。それが、よりよい進路選択になるではないかと思っています。

ご家庭においても、生徒より本日の進路講演会の内容をお聞きいただき、進路についてお話をしていただければと思います。

頑張れ、萌世生。We can do it.

(2年生の進路講演会の様子)

梅雨明け

今年はなかなか梅雨が明けず、すっきりしない日が続いています。天気予報では、関東甲信地方や北陸地方、東北地方の梅雨明けが8月にずれ込む可能性が高いと言っていました。昨年も遅かったですが、今年はそれよりも遅くなりそうです。それを聞いただけで、気分が落ち込んでしまいそうです。

そこで、梅雨について、少しためになる話をしたいと思います。

梅雨とは、6月~7月中旬、中国の長江下流域から朝鮮半島、日本列島に見られる雨期のことです。中国では「梅雨(メイユー)」、韓国では「長霖(チャンマ)」と呼ばれています。梅雨には、二つの語源があるようです。梅の実が熟す頃に降る雨という意味で「梅雨(ばいう)」と呼んでいたという説と、カビが生えやすい時期の雨という意味で「黴雨(ばいう)」と呼んでいたという説です。どちらも、梅雨の時期をうまく言い当てています。

普段生活するにはうっとうしく感じてしまうこともある梅雨ですが、木々や草花が青々と成長する季節でもあります。特に、稲作にとっては、田植え後の苗の生長を促す大切な水を供給してくれる時期でもあります。米作りにおいては、この時期の雨は「恵みの雨」そのもので、梅雨がなければ、おいしいお米は食べることができないのです。

また、大量に降る雨をコントロールしているのが水田でもあります。よく「水田はダムである」と言われます。水田が大量の雨をためて、ゆっくり流すため、洪水を防いでいます。そして、肥沃な表土の流失を防ぎ、豊かな生産を支えているのです。水田と雨は互いを補完する存在です。水資源大国である日本の素晴らしさ、それは、水田と雨に立脚しているのかもしれません。

最後に、雨音は、風やせせらぎと同じようなリズムであると言われています。このリズムは「1/fゆらぎ」と言われ、私たち人間にとって心地いいリズムで、このゆらぎを耳にすることでリラックスできるとも言われています。外出がおっくうなときだからこそ、雨音を聞きながらリラックスをする。この時期の楽しみかもしれません。

梅雨の季節、少し視点を変えれば、良い季節になるかもしれません。

でも、災害が起きるような雨は、もういりません。

特別と普通

全国各地で被災された方に心よりお見舞いを申し上げます。

さて、7月も終わりに近づき、本来であれば、夏休みに入る時期になってきました。しかし、今年は7月いっぱいは授業です。もうしばらく、頑張っていきましょう。そして、普通に授業できることを楽しみましょう。

今回は「ハレの日」について、お話をしています。

「ハレ」とは、お祝いや行事などの特別な日、非日常を指す言葉です。晴れ着、晴れ姿の「ハレ」は、この「ハレ」と使った言葉です。「ハレ」とは反対の、日常を表す言葉には「ケ」があります。学校でいうと、普段授業をしているときが「ケ」で、スポーツ大会、文化祭の行事の時が「ハレ」ということになります。というお話をすると、皆さんの中には、行事がずっと続けば良いと思っている人もいるのかもしれません。しかし、行事が続くことは気力や体力を消耗することにつながります。普通の生活が一番良いのです。このことは、臨時休業で、学校に来られない日が続いた日々を思い出せば、理解できるでしょう。

では、なぜ、「ハレの日」はあるのでしょう。病気で普段どおりの生活ですら送ることできなくなることを「ケガレ()」と呼びます。「ケガレ」とは「ケ」が枯れ果ててしまう意味です。そのような時は、「ハレ」を行うことで「ケガレ」を清めるのだそうです。つまり、気分が落ち込みそうなとき、疲れがたまりそうなときに、気分や健康を回復させるためにあるのが「ハレ」なのです。

THE BLUE HEARTSの隠れた名曲に『歩く花』があります。その一節に「普通の星の下に生まれ、普通の星の下を歩き、普通の街で君と出会って、特別な恋をする」と歌詞があります。普通と特別は、お互いを否定しあうものではなく、お互いを補完し合うものだと思っています。

今年の夏休み前は、体育祭、バス旅行等の行事が次々と中止となり、「ハレ」の日がなくなってしまいました。気枯れを清める、気分転換は大切です。休みの日など、公園などを散歩して、リフレッシュしましょう。

夏を制する

中間考査も終了し、今週は各教科から採点された答案が返却されるときでもありました。本日は木曜日ですので、ほとんどの教科より答案用紙が返されたではないかと思っています。点数に一喜一憂しないでください。前回も書きましたが、「テストのための勉強」から「勉強のためのテスト」とすることがひつようです。「振り返り」をしっかりとしましょう。終わりは、始まりの時でもあります。期末考査に向けて、今からが勝負です。

さて、就職試験は1ヶ月の後ろ倒しとなりましたが、本校では中間考査が終了して、本格的な進路指導が始まりました。「夏を制する者は、受験を制する」と言われる時期です。生徒たちは、始業前、昼休み、放課後を利用しながら、担当の先生方と面談を行い、今後のスケジュールを決めているようです。

「夏を制する者は、受験を制す」とはどのような意味でしょうか。夏休みに、いっぱい勉強をやれば、就職も進学も合格間違いなしというものでしょうか。私は、そのようなことではないと思っています。この言葉は、決意や意気込み、覚悟を表している言葉だと思っています。高校3年生となり、部活動の最後の大会を終え、ついに自分の進路と真っ正面から向き合わざるを得ないときが来ました。それが夏休みなのです。しかし、まだまだ、切り替えがうまくいかないときでもあります。理由は、部活動がなくなったときの喪失感、まだ受験までは日があるという余裕などが挙げられるかもしれません。そのとき、覚悟を持ってものごとに当たれるかどうか、なのです。

でも、今年は、それが非常に難しいかもしれません。5月末までの臨時休業、6月から、すべての行事を中止しての学習の確保、ほとんどの大会は中止となってしまいました。「切り替え」をしようにも、すべきポイントが見つからないのです。

ほとんどの高校で、7月いっぱい、授業が継続されると思います。夏休みが、一つの覚悟の時かもしれません。

みなさん、覚悟を持って、自分の進路と向き合ってみましょう。You can do it.

小暑

「身の守る行動をとって欲しい」

今週、この言葉を何度聞いたことか、九州各地で本当に甚大な被害が出てしまいました。岐阜や長野はどうだったでしょうか。被災されたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。

 

季節が夏至から小暑に変わりました。梅雨も終わりを告げ、いよいよ本格的な暑さが始まる時期でもあります。近年は梅雨明けが早くなっているとは言っても、東北に住んでいる私たちにとっては、7月下旬が梅雨明けの基準ですので、まだまだと気持ちがあります。そして、梅雨が明けると、一気に近年の35度を超えるような「熱さ」が到来するのかと思うと少し気が重くなります。

さて、七夕から11日頃までを「温風至(あつかぜいたる)」と呼ばれる時期になります。温風とは南風のことで、特に梅雨明けの頃に吹く風を呼んでいるようです。

日本各地で、風はいろいろな呼び名で呼ばれているようです。

西日本では、南風を「はえ」と呼ぶようです。特に、梅雨に降る雨を、「黒南風(くろはえ)」、「白南風(しらはえ)」と分けて呼ぶそうです。風に色がついているので、何となくイメージがつきます。梅雨真っ盛り、真っ黒い雲のもと、じとじとと雨が降っているときに吹く風が「黒南風」で、梅雨空を一気に吹き飛ばし、夏らしい青空に白い雲が浮かんでいるときに吹く風が「白南風」です。

本日は、郡山でも大雨・洪水警報が発令され、多くの電車が一時運転停止となりました。本当に、ひやりとしました。

これ以上、被害が大きくならずに、早く「白南風」の季節が来ることを祈るばかりです。

七夕

本日は七夕です。しかし、クリスマスと違って、今は、笹竹に短冊をつるして、願い事をするような家庭は少なくなったではないでしょうか。

七夕は、ひな祭り、端午の節句などの五節供と呼ばれる年中行事の一つです。

七夕の起源は、中国の「乞巧奠」(きっこうでん)という行事だと言われています。それが、奈良時代に遣唐使により伝えられ、宮中行事になったようです。「乞」は願う、「巧」は巧みになる、「奠」は祭るという意味で、織姫にあやかり裁縫が上手くなるように、それが発展して様々な習いごとの上達を願ったようです。また、笹竹に短冊をつるすようになったのは、江戸時代からのようです。手習いごとをする人や寺小屋で学ぶ子が増えたことから、星に上達を願うようになったということです。

そして、短冊にも意味があったようです。中国の陰陽五行説にちなんだ「青、赤、黄、白、黒」の五色の短冊で、それぞれの色は「青=木・赤=火・黄=土・白=金・黒=水」を表しています。そして、それぞれの色の短冊は、青は周囲への感謝を、赤は親への感謝を、黄は人を信じることを、白は何かをやり通すことを、黒は学力向上のために用いられたようです。

七夕は、江戸時代になると庶民の間にも広まり、幕府により祝祭日して定着していったようです。農業を重んじた幕府が、季節の変わり目にお祝い事をして、人々の絆を強めていたのではないかと言われています。そのため、東北の祭りには、七夕と関係深いものが残っています。仙台の七夕祭りは全国的にも有名ですが、ねぶた祭りも七夕と関係があるようです。

星に願い事するのも素敵なことです。皆さんも、この機会に、星に願い事をしてみたらいかがですか。

考査、終了

「また、今年もか」という思いでいっぱいです。熊本県南部を中心に甚大な水害が起きてしまいました。被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

 

さて、先週で前期中間考査が終了しました。生徒の皆さんは、今まで「テスト」をどのような意味づけをして、どのように向き合ってきたでしょうか。

皆さんの中には、一生懸命に努力をしたが、まったく結果ができなかった。努力したことが無駄だったと思っている人はいないでしょうか。

なぜ、そうなってしまうのか。数字のマジックかもしれません。数字というものは、とても非情なものです。努力した過程は一切コメントしてくれません。単純に何点という結果のみであらわします。そして、その数字は簡単に比較されます。平均点という誰の点数でもないものと比較され、できた、できなかったという感覚だけが一人歩きすることになります。

そこで、考え方を変えることにしましょう。自分たちがやっている勉強は、「テストのための勉強」ではなく、「勉強のためのテスト」だと、おおきく視点を変えるのです。

そう考えると、これからの「振り返り」が大切になってきます。

「振り返り」とは反省をするだけのものではないと考えています。一番大事なことは、自分がやろうとしていることに対して、今の自分がどのような位置にいるのかを確かめること、つまり、どこまでたどり着いているのか、方向は間違っていないのか等を確かめることだと思っています。

そして、考え方も変えましょう。まずは、今回のテストでうまくいったことを探し、自分自身を褒めてください。「だめだ、だめだ」ばかりでは、前に進む勇気も湧きません。そして次に、うまくいかなかったことの何を改善すれば良いのかを考えましょう。最後に、今後、どのようことをプラスしていけば良いのかを考えると、より発展的になるではないでしょうか。

皆さんが、今、身に付けるべき力とは、そのようなものだと思っています。

高校説明会

本日は、前期中間考査の最終日です。考査終了については、月曜日に書くことにしましょう。

さて、一昨日7月1日、郡山第二中学校での高校説明会に行ってきました。

私自身、本校に転勤して、初めての高校説明会になります。時間の制限はあるものの、本校の概要や求める生徒像、選抜の内容について、わかりやすく説明を行ってきました。郡山第二中学校の生徒たちの、話を聞く姿はとても素晴らしく、こちらの説明を聞き逃すまいと聞く態度に話にも熱がこもりました。ありがとうございました。

入試に関しても、今年は異常事態であると感じています。昨年の3月から始まった臨時休校による学習の遅れ、全国中学校体育大会をはじめ、運動系、文化系の県大会、地区大会の中止による部活動の実績を積み重ねることができなくなったこと、そして、中学校主催の高校説明会を中止した学校も少なからずあると聞いています。また、夏休みに各高等学校で開催を予定していた一日体験入学も多くの学校で中止となってしまいました。

現中学3年生にはいろいろな不安があるかと思います。こんな時こそ、理想とする未来を考えましょう。そして、その未来に向かって、一歩一歩、しっかりと前に進むことが大切だと考えます。

早くコロナが収束し、現在の中学校三年生が、人生の初めての選択である、高校入試に全力で取り組める日が来ることを強く願います。

考査3日目

考査3日目となりました。相変わらず、1年生は午前中の早くから、教室で勉強をしています。とても、とても、良いことだと思っています。

さて、折り返し地点です。1年生にとっては、長期間のテストは、初めて経験となります。疲れがどっと出てくる頃かと思いますが、あと半分、「じたばた」しながら頑張っていただきたいと願っています。

「じたばた」は、非常に大切なことだと感じています。

今まで多くの生徒に「じたばたしてください。人生の中において、種を蒔く時期、水や栄養分を蓄える時期、花を咲かせる時期、実を実らせる時期は決まっています。今は、種を蒔く時期、栄養分を蓄える時期です。今、水や栄養分を取らないと、花や実は実りません。また、人生にとって何が栄養分になるかはわかりません。ゆっくりでいいです。多くの栄養分を取っていきましょう」と言ってきました。スマートに生きる必要はありません。ゆっくり、休まず、「じたばた」しながら、前へ進んでいきましょう。

負けるな、萌世生。You can do it.

そして、本日は、3年生にとっては大切な日となります。本日から求人票が公開となりました。

3年生にとっては、進路本番が近づいてきましたといっても過言ではないでしょう。本日は、進路指導部より、進路指導に関する割当表も発表となり、3年の先生方を中心に、今後の進路指導の具体について、熱い意見交換がなされていました。考査が終われば、今度は「進路強化月間」です。就職にしても、進学にしても、面接は必ず実施されるものです。自分自身を相手にアピールする力、日本人が最も苦手とすることかもしれません。しっかりと、練習をしして本番に臨みましょう。

頑張れ、萌世生。You can do it.