郡山萌世 校長雑感

2020年10月の記事一覧

職業研究

昨日10月28日(水)、第1学年は、本来は授業のない学校裁量の5、6校時目の時間を利用して、職業研究をゲーム感覚で楽しみました。

実施したものは「職業・資格パズルワーク」です。株式会社ライセンスアカデミー仙台支社の工藤慧氏を講師として、進路選択を考える上で基本となる職業や資格についての知識を広げ、進路選択の幅を広げるとともに、自分の職業観や適性を考える機会を作り,今後適切な進路選択ができるようにするために開催されたものです。

この「職業・資格パズルワーク」は、一つの班4人で、グループのリーダーが仕事・資格の説明文を読み,他のメンバーがあてはまる仕事・資格カードを探すというパズル合わせのような学習です。最後に3枚のカードが余ることになっており、正解のカードを残せるかどうかというものです。単に職業や資格についての知識を広げるだけでなく、交流をしながらコミュニケション力も身に付けるというものとなっています。

以前、私も生徒とともに経験したことがありますが、なかなか難しく、同じような職業があるなと感じました。

終了後、生徒たちからは今まで知らなかった職業や資格を知ることができて良かったという感想がありました。

萌世百景 vol4

英語のschool(スクール)の語源は、古代ギリシア語の「スコレー」だと言われています。「スコレー」は、「余暇」や「ゆとりのある状態」を表す言葉です。元来、学びの場には、ものごとをじっくり考えることができる環境が必要なのですが、これまでの学力は時間内に問題を正確に処理する力と捉えていたために、じっくりと考えるということがあまり重視されてこなかったと感じています。

しかし、今日では「生きる力」を身に付けることが求められています。「生きる力」とは、自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する資質や能力です。また、自らを律しつつ他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心でもあります。

そのような力は、どのように身に付くのでしょうか。

テストで身に付くのかと言われれば、そうではないと答えるでしょう。テストで身につく力とは、時間内に、正確に、答えを見つけ出す力です。つまり、ものごとをたくさん受け入れる力であり、整理する力です。少し「生きる力」とは違うように感じます。

それでは、どのようにして身に付くのでしょうか。

目の前にあるものごとに対して、次々と問いをぶつける力だと思っています。つまり、ものごとを簡単に受け入れる力ではなく、受け入れない力が必要だと思っています。ものごとに対して「なぜ」という疑いを持ったり、「どうしてなのだろう」という驚きを持ったりすることが大切なのではないかと思っています。時間がかかるかもしれませんが、そのような問いが良質な思考に結びついて行くではないかと考えます。

そのためにも、学校には時間的にも空間的にも、「ゆとり」が本当に必要なのです。

本校は、ビルの中にあり、機能的な構造になっているために、余った空間があまりありません。でも、少しでも、生徒たちが「ゆとり」を持った生活を保障するために、各階に小さなラウンジが設置されています。

生徒のみなさん、このラウンジを有効に活用して、良質な思考をしてみませんか。

萌世百景 vol3

本日は綺麗な夕焼けをみることができました。

ビルの8階から14階にある高校なので眺望はとても素敵です。

この夕焼けを、萌世百景に選びたいと思います。

 

(本日 月と夕焼け)

(昨日 雲と夕焼け)

 

 

「おめでとう。よく頑張った。」

最近、校長室に、合格報告に来る生徒が見られるようになってきました。その生徒たちに真っ先に掛ける言葉です。

3年生にとって、この数ヶ月は、自分自身を見つめ、方向性を絞り込み、苦しみながらも前に進み続けた時期だったと思っています。夢を見ることはとても素敵なことですが、その夢を具体的な形へと変える作業は、高校生にとっては多くの苦労をともなうものです。その間に、本当に自分自身に適性があるかと悩み、立ち止まってしまう生徒もいたかもしれません。いつも思うことなのですが、高校生は、3年生のこの時期に、大きな成長を遂げ、大人になると思っています。進路を自分のものと自覚した瞬間から、次へのステージに向かい、階段を昇り始めるかもしれません。

若者に対して、人は「頑張れ」という言葉をいとも簡単に使ってしまいます。私自身もそうです。その度に、「何だか、軽いな」とか、「あまり響いていないな」と感じています。その人が一生懸命頑張っていることは十分知っているし、それ以上何を頑張ればいいんだという思いがあるからなのかもしれません。

しかし、私は、それでも人を応援したいと考えています。影響力もカリスマ性もないですが、それでも人を応援したいと強く思っています。人とかかわる仕事である教員という職業を目指したのも、この人を応援したいという気持ちが根底にあったからなのかもしれません。それは、自分自身が多くの人に支えられて生きてきた、また、今も生きていると感じているからなのかもしれません。

応援することは、その人と同じ夢を追いかけることだと思っています。特に、若者たちが、夢を追いかける社会、また、夢を追いかけることを信じられる社会こそが、我々が目指すべき「平和」な社会だと思っています。

生徒会役員改選

本日、選挙管理委員会より、令和2年度生徒会役員改選に関する連絡がありました。

立候補の受付は10月14日(水)から10月19日(月)で、そして、11月4日(水)に立会演説会、投票となるようです。

その話を聞いたとき、「今の生徒会役員には、何もしてやれなかったな」という自責の念でいっぱいになってしまいました。

私と現在の生徒会役員との出会いは4月学校が始まったばかりのときでした。この学校に校長として赴任した最初の生徒との出会いが生徒会役員だったと記憶しております。緊張気味だった私のところに、七海くんら生徒会役員が明るい笑顔を持って、あいさつに来てくれました。それぞれが簡単な自己紹介のあと、懸案となっていた生徒行事の生徒会活動・部活動の紹介の開催の仕方について、生徒会役員の考え方を説明してくれました。活発な生徒会だと感心したのを今でも覚えています。そして、その時、少しだけ生徒に近づけたような感じがし、緊張していた気持ちが和らいだ気がしました。

しかし、その後、2度目の学校の臨時休業、そして再開後の学習の保証に伴う各種行事の中止で、生徒会役員の活躍の場がなくなってしまったのです。私以上に、生徒会役員のみなさんは残念な気持ちでいっぱいのことでしょう。本当に申し訳なかったと思っています。

生徒会活動とは、生徒による自発的・自治的な活動を通して、学校生活に関する諸問題の解決に取り組み、互いに協力して改善向上を図ろうとする実践力を育てるものです。現在、主権者教育の充実が叫ばれている中、生徒が身近に感じる生徒会活動こそが、その原点であると思っています。「自分たちの意思が、行動が、よりよい学校をつくる」という強い気持ちを持って、仲間とともに、困難に遭遇しながら学校づくりをすることが、次の時代の自分たちの街づくりにつながっていくと信じています。

11月で生徒会役員は改選されます。現生徒会役員のみなさん、これからの生徒会役員へ、君たちの思いをしっかりと伝えてください。よろしくお願いします。

授業・校舎見学

夏休み中より、中学校3年生及び保護者による授業・校舎見学が徐々に見られるようになっています。10月に入り、その数が多くなってきたように感じております。受験が近づいていることを実感します。

今年は、各学校とも夏休み中の一日体験入学を行っていないので、中学3年生は、受験を考えている学校の雰囲気が分かりづらいかもしれません。ホームページをみながら、いろいろな情報を入手し、想像することも大切かもしれません。本校は、12月いっぱい、校舎見学を実施しております。中学校を通さなくても良いので、本校へ直接連絡をしていただき、説明を聞きたい課程(定時制、通信制)を言ってください。日時につきましては、相談に乗りたいと思います。

私自身は、少し、コロナの関係で時間の感覚がおかしくなっているようで、寒くなったことは分かっても、令和2年があと2ヶ月ちょっとで終わりという感覚がありません。季節を感じるような行事が全く行われないために、季節感がなくなっているかもしれません。

しかし、高校でも、例年よりも1ヶ月遅れの就職試験が10月16日より始まります。進学関係の推薦試験も始まっていますので、本格的な受験本番です。生徒たちは必死に頑張っています。

秋は、よく「実りの秋」と呼ばれています。生徒一人ひとりにとって、実りの秋になるように期待したいと思います。

レガシー

また、本日もスポーツの話題でお話をしましょう。

昨年のラグビーワールドカップでは「ワンチーム」が流行りました。それは、日本、またアジアで開催された初めてのラグビーのワールドカップであり、そして、体格の劣る日本チームが快進撃し、決勝トーナメントまで進むという快挙を成し遂げたからだと思います。もし、今年オリンピックが開催されていたら、「リレー侍金メダル」、「水泳王国復活」とかで盛り上がっていたかもしれません。

こんな話をすると、メダル至上主義ですかと問われるかもしれません。

ワールドカップやオリンピックなどの国際大会は、インターナショナルな大会であるにもかかわらず、ナショナリズムが高揚するときでもあります。インターナショナルとナショナリズムは対をなす言葉ですので、矛盾する考え・行動が同時に起きてしまうということになります。

オリンピック憲章では、第1章で「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」として、国家同士によるメダル獲得数競争をオリンピックの目的として認めてはいません。しかし、オリンピック開催中は、どの新聞もメダル獲得数による順位を載せ、国家の優劣を煽っているような感じを受けます。

しかし、私はナショナリズムの全てが悪いとは思っていません。『民族の祭典』に見られるようなナチスドイツのオリンピック利用やロシアのドーピング問題など、極端なナショナリズムは排除されるべきだと思っています。しかし、南アフリカで開催されたワールドカップの時、南アフリカチームが「ワンチーム、ワンカントリー」を掲げ、アパルトヘイトを乗り越えようとしました。ロンドンオリンピックでは、レガシーと呼ばれる考え方がでて、国民がオリンピック本番だけでなく、その後を考えるようになりました。

多くの国が集うワールドカップやオリンピックは、今の日本を真剣に考える機会になるではないかと期待しています。また、逆に、様々な国のことを考える機会になると思っています。そして、今の日本がインターナショナルになるために、必要なもの、変えなくてはならないもの、残していくものを考える絶好の機会でもあります。

ワールドカップを開催した南アフリカが人種問題を乗り越えられたかというと、そんな簡単な問題でないは今のアメリカを見てもお分かりでしょう。しかし、インターナショナルな場だからこそ、顕在化する問題というものはたくさんあり、目をそらさずに問題群をじっと見つめることは必要なことです。オリンピックをそのような場にしたいものです。

萌世百景 vol2

本日は「萌世百景」の第2回となります。

今回、紹介するのは14階にある大講義室です。

大講義室からの眺めは、素晴らしく、とても気持ちの良いものです。それは、14階という高さだけでなく、日本百名山にも数えられる安達太良山、そして、遠くに蔵王連山、吾妻連峰を見ることができるからです。

構造的にいうと、校長室はビルの南面にあるため、そこから見える景色は郡山から白河(東京)方面を眺めるかたちになります。大講義室はビルの北側にあるため、そこから見える景色は、郡山から福島市(仙台)を眺めるかたちとなり、校長室の真後ろの風景(しかし、校長室からは北側はみえませんが)となる訳です。

大講義室は、100名前後が座ることができ、学年単独の行事(学年集会、進路講演会など)で使われることが多い場所です。対外的な会議の際にも多く使用され、東北地区の定時制通信制の諸会議などが開催される際には、東北各県の先生方に「ほんとうの空」を見たいただいております。

「ほんとうの空」とは何か、お分かりでしょう。高村光太郎の『智恵子抄』です。

 

 智恵子は東京に空が無いといふ。

 ほんとの空が見たいといふ。

 (中略)

 阿多多羅山(あたたらやま)の山の上に

 毎日出ている青い空が

 智恵子のほんとうの空だといふ。

 あどけない空の話である。

 

本日の新聞に、安達太良が紅葉の見頃になったという記事が出ていました。秋の深まりとともに、空が綺麗な季節にもなってきました。最近、何となく、上を見上げる機会が増えてきたような気がします。

みなさんも、顔を上げ、「ほんとうの空」を眺めてはいかがでしょう。

 

 

(大講義室の様子)

(大講義室より、真北を見た風景。新幹線の軌道がまっすぐ北(仙台)に向かって伸びています)

(大講義室より、少し西の方を見た風景、遠くに安達太良山がみえます)

後期に向けて

後期が始まりました。

また、授業が始まったと思っている人はいませんか。普通の生活をすることは大変なことです。みなさん、普通の中に楽しみを見つけてください。

さて、後期の始業式でも話しましたが、私の趣味の一つはスポーツ観戦をすることです。

野球、サッカー、ラグビーは、以前は、時間が空いたときに良く観に行っていました。と言っても、震災後はほとんど観に行くことができなくなったので、ここ9年はご無沙汰しております。私の中では普通でない日が続いているのです。

話を戻しましょう。野球は、神宮球場や横浜スタジアムに行っていました。しかし、Jリーグができてからは、プロ野球はテレビさえ観なくなってしまいました。多すぎる、長すぎる間合い、4時間を超える試合時間など、問題が多いのではないかと思っています。しかし、大学野球、高校野球は、今でも観に行きます。応援スタイルからすれば、大学野球がとても面白いと思っています。サッカーは、鹿島アントラーズのファンですが、仙台や新潟のスタジアムにも良く行きます。新潟では、よくハッピーターンを貰っていました。ラグビーは、サントリー、ヤマハのファンです。ごりごりとフォワードを押し込んでくるスタイルが大好きです。ラグビーは秩父宮に行きます。

昨年のワールドカップはテレビでの観戦となりました。友人の中には、会社を休んで、遠くのスタジアムまで観に行った者もいました。誘われましたが、時間が合わず、直接観に行くことはできませんでした。友人は試合の質の高さにひたすら感動していました。

オリンピックの前哨戦ともなったラグビーワールドカップは大成功だったと思っています。それは、試合の質が高かっただけでなく、日本人の歓迎ぶり、所謂「おもてなし」が素晴らしかったのではなかろうかと考えます。すべてのスタジアムで、日本人の観客は、各国の「ラグビーアンセム」をしっかりと歌い、それぞれの試合を盛り上げていました。

でも、まずは、スポーツが観戦できるようになること、通常の生活に戻ることが大切です。

早く、コロナが収まる良いな。

オリンピックは、生でみたいな。