校長挨拶

 令和6年度、個別支援の先へ!

 

 本校着任3年目となりました校長の田母神(たもがみ)賢一です。生徒の皆さん、そして保護者・地域の皆様、今年度もどうぞよろしくお願いいたします。

 4月は新たな出発の季節です。8日には定時制の始業式、14日・15日には通信制の始業式が行われ、新たな年次がスタートしました。いずれの生徒の皆さんも、式の際に真剣なまなざしで先生方の話を傾聴している姿をみて、本校には素直で伸びしろの大きな生徒が多いことを改めて感じるとともに、教職員一同、「よし、今年度もやるぞ!」との思いを強くしたところです。

 また、9日には定時制の、21日には通信制の入学式が行われ、それぞれ140名、119名の新たな仲間が本校に加わりました。ここ数年本校を志望する生徒が増えており、校内の様子も一層活発になってきていると肌で感じます。新入生の皆さんにとっては高等学校という新たなステージでの学びが、また転入生・編入生の皆さんにとっては新たな環境での学びがいよいよ始まります。約30名の科目履修生も今か今かと授業を待ち望んでくれています。いずれにしましても、本校で学びたいと強く望んで入ってきてくれた皆さんを心より歓迎します。

  さて、本校が県の個別支援教育推進校の指定を受けて3年目となりました。この事業は、開校以来の本校の基本方針「生徒一人一人を真に大切にする教育」と軌を一にするものです。そのため1年目は、これまでの支援事例等の実績を生かしながら、個別支援教育コーディネーターを核とした組織体制の整備に取り組みました。昨年度はNPO「こおりやま子ども若者ネットワーク」とのコラボがさらに進み、これまでの定時制に加え、通信制の生徒を対象とした「萌世カフェ」も開催するなど、支援が広がる1年となりました。

 とはいうものの、全ての本校生の幸せ(Well-being)の実現に向けて、できることはまだたくさんあると考えています。3年目となる今年度は、これまでの取組を一旦アンラーンし、先生方の経験や知見を生かすとともに、SC・SW、関係機関との連携を深めながら、個別支援教育のさらなる飛躍を目指します。それが学校全体の幸せ(Well-being)につながっていくと思います。

 本校がお世話になっている全ての皆様、今年度も引き続き変わらぬご指導・ご支援を賜りますようお願いいたします。

 

 2024年度  学校経営・運営ビジョン.pdf

 

                                                         令和6年4月  

                郡山萌世高等学校長 田母神 賢一

郡山萌世 校長雑感

レガシー

2020年10月8日 17時16分

また、本日もスポーツの話題でお話をしましょう。

昨年のラグビーワールドカップでは「ワンチーム」が流行りました。それは、日本、またアジアで開催された初めてのラグビーのワールドカップであり、そして、体格の劣る日本チームが快進撃し、決勝トーナメントまで進むという快挙を成し遂げたからだと思います。もし、今年オリンピックが開催されていたら、「リレー侍金メダル」、「水泳王国復活」とかで盛り上がっていたかもしれません。

こんな話をすると、メダル至上主義ですかと問われるかもしれません。

ワールドカップやオリンピックなどの国際大会は、インターナショナルな大会であるにもかかわらず、ナショナリズムが高揚するときでもあります。インターナショナルとナショナリズムは対をなす言葉ですので、矛盾する考え・行動が同時に起きてしまうということになります。

オリンピック憲章では、第1章で「オリンピック競技大会は、個人種目または団体種目での選手間の競争であり、国家間の競争ではない」として、国家同士によるメダル獲得数競争をオリンピックの目的として認めてはいません。しかし、オリンピック開催中は、どの新聞もメダル獲得数による順位を載せ、国家の優劣を煽っているような感じを受けます。

しかし、私はナショナリズムの全てが悪いとは思っていません。『民族の祭典』に見られるようなナチスドイツのオリンピック利用やロシアのドーピング問題など、極端なナショナリズムは排除されるべきだと思っています。しかし、南アフリカで開催されたワールドカップの時、南アフリカチームが「ワンチーム、ワンカントリー」を掲げ、アパルトヘイトを乗り越えようとしました。ロンドンオリンピックでは、レガシーと呼ばれる考え方がでて、国民がオリンピック本番だけでなく、その後を考えるようになりました。

多くの国が集うワールドカップやオリンピックは、今の日本を真剣に考える機会になるではないかと期待しています。また、逆に、様々な国のことを考える機会になると思っています。そして、今の日本がインターナショナルになるために、必要なもの、変えなくてはならないもの、残していくものを考える絶好の機会でもあります。

ワールドカップを開催した南アフリカが人種問題を乗り越えられたかというと、そんな簡単な問題でないは今のアメリカを見てもお分かりでしょう。しかし、インターナショナルな場だからこそ、顕在化する問題というものはたくさんあり、目をそらさずに問題群をじっと見つめることは必要なことです。オリンピックをそのような場にしたいものです。